イチローと松坂大輔の本当の関係は唯一無二のライバル!?
2016年、メジャーリーグから日本球界復帰2年目の松坂大輔にとっては非常に厳しいシーズンになってしまいました。
日本球界10年ぶりの復帰登板は1イニングを投げ3安打4四死球5失点という結果でした。
過去の松坂大輔がどういった投手であるかということを知っている人からすれば、あまりに衝撃的な結果だったのではないでしょうか。私も松坂大輔と同じ年齢の36歳です。なので、高校時代からずっと彼を知っているのでショックでした。
あなたもきっと覚えていると思います。日本プロ野球ファンはそのドラマティックな高校時代とセンセーショナルなプロ野球デビュー、そしてメジャーリーグでの活躍と常に日本の野球界に衝撃を与えてきました。
そんな、過去に素晴らしい投手であったという記憶があるからこそ、筆者としても一ファンとしても、昨今の松坂大輔の現状が信じられません。そんな「信じられない」という思いを持っていであろう男は、野球界にも大勢います。
その一人がイチローです。イチローと松坂大輔の出会いは1999年までさかのぼります。当時イチローは日本球界を代表する走攻守3拍子そろった外野手として、日本球界ナンバーワン選手の座をほしいままにしていました。
そこにすい星のごとく現れたのが松坂大輔です。松坂大輔は前年の甲子園で横浜高校のエースとして春夏連覇を達成、PL学園との春・夏の死闘や、夏選手権大会の決勝でのノーヒットノーランなど伝説的な活躍を引っ提げ、西武に入団しました。
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イチローが松坂をライバルと認めた日
そして初対決を迎えた5月の試合で、松坂大輔はイチローから3打席連続三振を含む4打席3三振1四球と完璧に抑え、イチローと松坂大輔の対決は「新平成の名勝負」と名付けられるほどでした。
その後の対戦ではイチローが松坂大輔から通算100号ホームランを放つなど、二人のライバル対決はいつもドラマティックであり、いつも注目の的でした。イチローが唯一意識している対戦でもありました。
松坂大輔は高校野球、西武ライオンズでの活躍もあり、またポスティングシステムで当時史上最高額での契約を勝ち取りレッドソックスに入団するなど、松坂大輔よりも年齢が下の野球人の大きな目標となった人物です。
そんな松坂大輔をイチローは時にはライバルでありながらも「同志」とも考えているほど、心配し気にかけているのです。イチローは松坂に対して「大輔が背負っているものは人と違う」とも言っています。
それはメジャーリーグでの晩年、松坂大輔が思うような結果が出ず、怪我もありニューヨークメッツで中継ぎ登板をしていた2013年のことです。当時、イチローもシアトルマリナーズからニューヨークヤンキースに電撃的にトレードされた時です。
マリナーズ時代のように常に試合に出る立ち位置ではなくなってしまっていました。だからこそ、メジャーリーグのマウンドで、日本で活躍していた先発ではなく、中継ぎや敗戦処理で奮闘する松坂大輔に強い共感を持ったのではないでしょうか。
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イチローが松坂大輔にかけた言葉
イチローは松坂大輔に対しこうも言っています。「ただ投げている人ではない」。これがイチローの松坂大輔をみて付け加えた言葉です。イチローも松坂大輔も日本・メジャーリーグで光り輝く成績を残しました。
そんな二人だからこそ、二人にしかわからない特別な感情や思い入れがあるからこそ、イチローは松坂大輔が中継ぎで奮闘するのをみて、自らを奮い立たせるためにもこのような表現をしたのではないでしょうか。
イチローは松坂大輔との初対戦が終わった後、こんなセリフを残しています。「まっすぐがあれだけ速くて、変化球も素晴らしい。勝負以外の楽しみができました。」投手に対する最大限の誉め言葉です。
二人はグラウンドで会えば冗談・談笑を交えつつもお互いへのリスペクトを欠かさず常に真摯に野球に取り組んでいます。その我々には見えない努力をイチローは感じ、認めています。そう、イチローにとって唯一無二のライバルだったのです。
打者・イチローとして松坂大輔をライバルと認めたからこそ、今のようにお互いがお互いを尊重しあえる関係ができているのではないでしょうか。松坂大輔の2017年の復活に期待したいですね。
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